鹿嶋神社 稚児舞

鹿嶋神社では、毎年5月3日4日に海の安全や豊漁、豊作を願い舞子たちが踊り歩く春祭りが開催されます。
稽古に励んだ小学2~4年生の子どもたちが社頭で鎮魂豊漁を祈ったあと、お父さんたち若い衆に引率され地区内を巡ります。2日間で120軒の家々をまわり、夜には鹿嶋神社に舞を奉納します。華やかな衣装をまといながら、男子は小槍を打ち振るう勇壮な「槍おどり」、女子は花笠をかぶりあでやかに扇をひるがえる「扇おどり」、さらに男女一緒の「若い衆おどり」を繰り広げます。
稽古の成果を発揮しようと頑張る子どもたちの雄姿には心温まるものがあります。1971年に町の無形文化財にも指定され、伝統を大切に後世に引き継がれているお祭りです。
春祭りでは、稚児舞を卒業した子どもたちと保存会による神楽も奉納され、「天舞」として獅子と天狗が剣を打ち合い、発するご神火で悪霊退散を祈る「剣の舞」などが奉納されます。

漁村の宮崎地区の守り神「鹿嶋神社」。かつては陸続きだった沖ノ島にあった祠が、海岸の浸食によって現在の位置に移され、「みやのさき」で宮崎との地名が付けられました。
寺社装飾彫刻の名匠、糸魚川市市振出身の北村喜代松の最高傑作と言われるのが、この鹿嶋神社の装飾彫刻です。彫りが深くとても繊細ですが、パーツを組み合わせたのではなく、一本の欅の素木から彫り出されています。激しい波は、まるで葛飾北斎の浮世絵のよう。
描かれているのは、日本の神話である「八岐大蛇(ヤマタノオロチ)退治」の物語。スサノウノミコトが八岐大蛇の生贄にされるクシナダヒメを救うために、強い酒を飲ませ酔いつぶれて眠る大蛇を切り刻み、その尾から聖なる剣「草薙の剣」が出たという場面が表現されています。その後、スサノウノミコトとクシナダヒメはめでたく結ばれ、縁起のいい鶴や亀、松の彫刻から喜びが伝わってきます。
神社から少し離れて見ていただくと、喜代松が最もこだわった鬼門封じの力士像を拝めます。越中越後の国境の鬼門を憤怒の形相で睨みつける力士が、今も鬼からこの地を守り続けています。

INFO

所在地
〒939-0703 富山県下新川郡朝日町宮崎1485(鹿嶋神社)
TEL/FAX
TEL:0765-83-1100(朝日町役場)
アクセス
北陸自動車道 朝日ICから車で15分
あいの風とやま鉄道 越中宮崎駅から徒歩10分
駐車場
ヒスイ海岸駐車場:200台

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